今の季節、玄関前に植えているスイカズラの花の香りがふわりと漂ってきます。 その甘くやさしい香りは、ふっと心をほどいてくれるような、幸せな気分にさせてくれます。
スイカズラはつる性の植物で、細長い花びらがくるりとカールした、可愛らしい花を咲かせます。 咲き始めは白く、時が経つと徐々に黄色へと変化するのが特徴です。
お花が咲いている様子は白と黄色の花が入り混じって咲く姿が、まるで金(黄色)と銀(白)の花が並んでいるように見えることから、漢方では「金銀花(きんぎんか)」と呼ばれて利用されてきました。
花の奥にある蜜を吸うと、ほんのりと甘い味がするので、「吸い葛(すいかずら)」という名前が付けられたそうです。 「葛」は、つる性の植物を指す言葉です。
実際にお花を吸ってみました。 確かにかすかに甘みがあります。 今は甘いものが身近にたくさんある時代なので、このかすかな甘みは物足りなく感じるかもしれません。
でも、昔の人たちにとっては、自然の中で見つけたこの甘さが、特別なおやつのように感じられたのかもしれませんね。
スイカズラは「ハニーサックル」とも呼ばれるハーブで、漢方では花を乾燥させて「金銀花」としてお茶や薬用に利用されています。
私もスイカズラの花を摘んで乾燥させています。 ハーブティーとしていただくとほんのりとスイカズラの香りがしてそれでいて癖もなく飲みやすいお茶になります。
スイカズラには、ルテオリンというフラボノイドの一種が含まれています。
抗酸化作用や抗炎症作用があり、ハーブティーとして飲むと、喉の痛みや発熱時の不快な症状をやわらげてくれる効果が期待できます。
お花だけでなく葉っぱや茎もお茶として利用されています。 他にも利尿、浄血、解毒、殺菌等の効果があるので、昔から民間薬としても使われてきたとのこと。
お酒を飲める方でしたら、スイカズラ酒もおススメです。

乾燥したスイカズラの花蕾 100g
ホワイトリカー 1.8ℓ
氷砂糖(ハチミツもおススメ) 50g ⇒甘みは好みで増減します
材料全部を消毒済みの清潔な保存瓶に入れ、密封して冷暗所の保存します。 2~3ヵ月後に中の材料をこして取り除きます。 きれいな淡黄色に出来上がり、飲みやすい薬酒になります。 盃1~2杯を飲用します。 ストレートでもお湯やお水で割って飲んでも良いです。
スイカズラの花の香りに包まれていると、季節の移ろいや自然の恵みのやさしさを感じます。 花や葉、茎まで余すところなく役立つスイカズラは、ハーブティーとしても、日々の小さな癒しとしても、健やかな毎日に、やさしく寄り添ってくれる植物です。